ダイエット中は読まないで!読むとお腹が空いてくるおすすめ小説「ぶたぶたの甘いもの」

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人ってどんな時に、お腹が空くのでしょう?空腹のときはもちろんですが、それ以外にも「おいしそうな映像をみたり、おいしそうなコメントを読んだりした時」も、お腹が空きますよね。

深夜に我慢できずお菓子を食べてしまったりするのも、そんな誘惑が原因だったりします。でも、私が思うに、幸せな気分のときってさらにお腹がすくと思うのです。

矢崎存美さん原作の「ぶたぶたの甘いもの」はまさに、その要素をすべて詰め込んだ小説。

食べ物の描写の見事さに、例えダイエットを決意していても、玉砕することは間違いありませんが、ほっこり幸せになれる優しさいっぱいの作品です。

その中に出てくる特においしそうなものを3つ上げてみたいと思います。ダイエット中の方は覚悟して、続きをお読みください。

1.水羊羹

‏冷たいのに、溶けていく、そして、つるんと喉に落ちた。砂糖と小豆本来の甘さが交じり合う。うう、申し訳ないけど、お茶が欲しくなる。

この小説の主人公は和菓子処「しみず」で和菓子職人をしている、動くぶたのぬいぐるみ「ぶたぶたさん」。バレーボール位の大きさで、黒い点目のピンクのぶたのぬいぐるみです。

普通のファンタジーと一味違うのは、ぶたぶたさん以外は、すべて現実的であること。

みんな普通に暮らしている普通の人たちで、ぶたぶたさんをみた人々は、はじめは驚きますが、次第に彼を受け入れる人たちが増えていき、いつしか彼に心を開き、癒され、次第にその輪が広がっていくというのがおきまりの展開。

これは、水羊羹が売り切れで買えなかったと嘆く男性に、ぶたぶたさんが自宅で食べさせてあげるシーン。お盆に水羊羹とお茶を載せて、ちょこちょこ歩いてくる姿を想像しただけで、思わず笑顔がこぼれます。

2.栗きんとん

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‏「ああ―」思わず声が出た。ここの栗きんとんを食べると、幼い頃、裏山で採った栗をゆでて、熱いうちに剥いて食べたことを思い出す。
(中略)
粒が粗く残っているのもいい。砂糖もおそらく、最低限なのだろう。変な甘みがない。

食べているのは、年配の女性。亡くなった夫が、女性のためにこの時期しか食べられない「栗きんとん」を店に予約していたと知り、涙を流しながら食べるシーンです。

このシーンでも、ぶたぶたさんは女性を気づかって、言葉をかけたり、ティッシュケースを差し出したり、優しさと可愛らしさいっぱいの姿で、女性の心を癒します。

けれども、その声は中年男性の渋い声。こうみえて、中身は人生経験豊富なおじさんである「ぶたぶたさん」なのです。

3.焼きそば

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‏「むっ」頬張ったままうなってしまう。いつも食べている焼きそばと味が違う。ソースがとても香ばしい。
(中略)
唯一の具である揚げ玉と紅生姜を一緒に食べると、肉やキャベツは邪魔だったんじゃないか、と思えるくらい、味わい深い。これは、シンプルゆえの功績なのか。

はじめてお店を訪れた若い女性が、やけ食いしようといろいろな食べ物を頼んで、食べるシーン。

「お腹をこわさないか」と心配げに見守る、白い帽子とエプロンのぶたぶたさんがなんとも、微笑ましくキュートです。

その後、女性はすべてをたいらげ、お土産まで買って帰ります。なんとなく、これからいいことがありそう、そんな気分になりながら。

まとめ

いかがでしょうか。この本の最大の特徴は、お腹は空くけど、心は温かいもので満たされるということ。ぶたぶたさんによって、元気を取り戻した人たちをみて、読者もなんだか元気になってくる、そんな小説です。

この際ダイエットはすっぱりとあきらめて、美味しい和菓子とお茶をお供に、読んでみるのもいいかもしれませんね。

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