これで何度目?!どんでん返しがスゴイおすすめ小説「検察側の証人」の3つの魅力

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どんでん返しの王道といえばサスペンス小説ですよね。サスペンスの女王といえばこの人、アガサ・クリスティ。

有名な所では「そして誰もいなくなった」や「オリエント急行殺人事件」などがありますが、今回は女の哀しみをうたい上げた名作「検察側の証人」をあげたいと思います。

戯曲として書かれたものでもあるので、セリフの伏線の数々、予想外の物語の展開などがとにかく面白い作品です。

1.少ない登場人物

サスペンスというと、最初に疑わしい登場人物が10人くらい出てくるイメージがありませんか?この小説のすごいところは、主要人物が3名しかいないことです。

容疑者ボールとその妻クリスチーネ、そしてボールの老弁護人であるウィルフリッド卿だけ。あとは殺された未亡人がいるくらいです。

この中で大きなドラマが生まれ、謎解きが行われます。この登場人物の少なさですでに、作者は私達読者に挑戦を挑んでいるのです。

2.どんでん返しに次ぐどんでん返し

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この小説にはどんでん返しが多すぎて数えることが難しいほど。緻密なプロットはさすが名クリスティとうなるよりありません。お金持ちの未亡人と親しくなり通うようになったボール。

彼が訪れた晩に老婦人が殺され、殺人の容疑者となります。莫大な遺産が彼に残されたことも判明し、限りなく有罪と思われてしまう彼の運命は、妻クリスチーネの証言のみに託されます。

ところが最初は彼のアリバイを証言したはずの妻は、態度を翻し一転検察側の商人として法廷に立つのです。これが最初のどんでん返し。そして堂々と、彼は犯行時刻の後に帰宅し、老婦人を殺してしまったと言っていたと話すのでした。

ところが後日クリスチーネを恨む第三の女が現れてウィルフリッド卿に接触し、彼女から別の男に書かれた手紙を、ボール無罪の重大な証拠として渡します。これが2つ目のどんでん。

裁判最終日、確定したかのようだったボールの有罪判決は、この大きな物証により…これ以上は内容は控えますが、3つ目のどんでん返しが起きたことだけはお伝えします。

でもこの後もまだまだいくつもそれらが繰り返され、最後には衝撃的ともいえる大大どんでん返しが待っています。

3.いつの世も変わらぬ女の哀しさ

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とにかく面白いストーリー。でもそれだけではやはり読者は満足できません。当然ながら、人物像が魅力的でない限り小説は味気ないものです。この点でもこの作品はさすがの実力です。

心臓を悪くしていて引退を考えながらも、この事件を担当することになった人間味あふれ経験豊かな老弁護士ウィルフリッド卿。職も財もないけれど、いつも陽気で人をひきつける力のあるボール。

そして彼の魅力ある謎の妻クリスチーネ。彼女は異国の元女優、しかも実は祖国で結婚して実は夫がおり、ボールにもそれを隠していたという、なんとも秘密多い女性です。

事件の謎解きと並行して彼女の謎も解かれていくのも、物語の見どころです。彼女の嘘と真実が入れ替わりますが、実はそのどちらも互いの伏線となっています。でも通奏低音のように変わらず見え隠れするのは、彼女の哀しさです。

それは彼女の過ぎた賢さと愚かさ、そして情深さからきています。私達は、彼女の中に女の業をみることで、さらに作品の余韻を味わうことができることでしょう。

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