【ナチュラル美容の専門家が贈るコラム第5回】まずは化粧水信仰を捨てるところから!うるうる肌への3ステップ
|「植物の力で本来の美しさに導く」ニューヨーク式ナチュラル美容の専門家、MIKAです。
米国アロマセラピストとして、ニューヨークと東京でお仕事をしております。
こちらでは、自然療法やオイルを用いた美容をテーマに、お贈りしております。
短期的な擬似効果を狙うのではなく、オーガニックもしくはナチュラルの素材や技法をつかって、読者のみなさまとご一緒に、「長期的に美しさを育てる」ことを目指してまいります。
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乾燥の気になるこの季節。乾燥はお肌の老化に繋がりますから、ひと冬を越すと急に老けた印象になることも。
化粧水やパックで水分を一生懸命与えても、いっこうに乾燥が改善しない、むしろ乾燥が進んでいる、そう悩まれる方も多いかと思います。
なぜ外から水分を与えても、水分保持量があがらないのでしょう?
今回は、水に関わる美容のお話を中心に、「本当にお肌の水分保持量をあげるための方法を3ステップ」をご案内させていただきたいと思います。
ステップ1:まずは化粧水信仰を捨てる!
海外旅行などに行った際に、現地のドラッグストアで化粧水をさがしても見つからなかった経験のあるかたもいらっしゃるのでは?
私の暮らしていたニューヨークでも、アルコールの強いトナーはあっても、いわゆる化粧水の種類は少ない状況でした。
欧州などでも同じですね。同じく、私の学んだ英国のコスメクラフトスクールでは、化粧水の作り方は自習か、極めてシンプルに学びます。
「化粧水信仰」というものが、日本など一部の国ではあるようです。
「お肌の水分が足りないのだから、水分を与えればいいのでは?」
そう単純なものではないのがお肌。
皮膚には、バリア機能というものが存在します。
バリア機能は、内部からの水分の蒸発を防ぐと同時に、外部からの細菌や紫外線、水分を含む余分なものの体内への侵入を防いでいる壁の役割をしています。
考えてもみてください。どれだけでも外から水分が吸収されるのであれば、人間の体内はブヨブヨにふやけてしまいますよね…。
1mmにも満たない人間の皮膚(表皮・真皮)の多重構造の中で、表皮はほんの0.2mm、そのうち外界側にある角質層は0.02mm。
水の分子量は大きいので、この0.02mmの角質層の、”さらに最上部”までしか到達しません。
お肌の潤いというのは、角質層以下、深くに保持される水分量で決まります。
そしてこの水分量ですが、肌の内部に存在する水分は、細胞のタンパク質と結びついた「結合水」といわれる、いわゆる外から与える「自由水」とは別物(*)。
どんなに外から水分(自由水)を与えても、残念ながらバリア機能で通過せず、真の潤いにはならないのです。
化粧水は「お肌の最表面を整えるもの」それ以上の機能をもとめると…お肌の長期的な健康を損なうことになる理由については、ステップ2でお話します。
ステップ2:バリア機能を守り、育てる!!
肌荒れは、角質層の水分保持機能が低下し、水分が奪われてお肌がドライアップするトラブル。
お肌の滑らかさには、皮膚の水分量が関わっているので「お肌の美しさのバロメーター=お肌の水分量」と言えます(*)
このお肌の水分量が十分にあるというのはまた、それを保持するための「お肌のバリア機能の強さ」とイコールです。
なぜお肌の角質層のバリア機能が、水分の保持と関わるのでしょうか?
それは、このバリア機能が、以下の3者によって、水分をがっちりと捕まえておく役割をになっているからです。
1.皮脂膜
肌の表面をコート。水分ロスを防ぎます。(洗顔後に失われた皮脂を、美容オイルで補完可)
2.MMF(Natural Moisture Factor)
角質細胞のなかで、水分を掴んで離さない!
3.細胞間脂質(アミノ酸でつくられる)
細胞の間のボンド役。水分をサンドイッチして離さない役割。
ですので、洗浄成分での過度の脱脂や、水溶性のコスメなどによく入っている界面活性剤などによって、細胞間資質が破壊されると、MMFは急速に減少し、お肌の水分保持能力が落ちてくるのですね。
水溶性のコスメ(化粧水や美容液)に、様々な美容成分が入っているものがありますよね。
使った翌日に、つるっつる、うるうるになるのを実感するのに、長く使っていると乾燥が進んでいく…なぜ。
だって、分子の大きな水分とともに美容成分を運ぶためには、お肌のバリア機能をいったんバリンと破いてむりやり押し込めないといけないのですから…当然ですよね?
こういう、使ってすぐ実感できる見せかけの効果を、「疑似効果」といいます。
化粧水に多機能を求めるべきでない、理由です。
私自身、もともとずっと乾燥肌で、かつては化粧品カウンターで計測しても、ひどいものでした。
が実際、「角質層のバリア機能を育てる」ことに着目したケアをし始めてから、お肌の水分量が理想値にシフトしました。
40代のいま、20代の頃よりも潤いのある、つるつるの肌になっています。
お肌のバリア機能のもともとの強さは、遺伝的なものもありますが、強く育てて行くことは可能です。
ステップ3:されどお水!
以上の2ステッップまでは、水分を取り入れることを否定するものではありません。
外部から肌に乗せる化粧水は、角質表面を整え、場合により炎症を抑えてくれます。
また、水を飲んで、体内に積極的に取り入れなければ、美肌にかかわる「結合水」を作り上げることもできません。
いま、先端科学を用いたバイオ企業が、自然界の美しい水で細胞を活性化させる美容に取り組んでいます。
水は、化学式で表すとH2Oという単純なものですが、現代科学でもってしても、その本質はまだ解明されていないそうです。
意識に影響を与えるいろいろな情報を伝達するものでもある、とも言われています。
身体の7割は水分といわれ、密接に関わるものだからこそ、美容的観点からも、美しい水を取り入れていきたいものです。
本文中の該当部分(*)について、より詳しくお知りになりたい方は、朝田康夫医学博士の「美容の医学 美容皮膚科学事典」をご参照ください。
いかがでしたでしょうか?
次回は、東洋医療を美容に取り入れる方法をお伝えします。お楽しみに!
ライター情報
MIKA
一般社団法人Blooming Aroma 代表理事。
米国ARC認定アロマセラピスト。
バッチフラワー国際プラクティショナー(BFRP)。
慶應義塾大学文学部美学美術史学専攻(東洋美学)卒業。経営学修士。
シンクタンクのコンサルタントを経て、渡米を機に自然療法スクール、Mika Natural Healing School(現:Blooming Aroma)を主宰。ニューヨークにて活動を広げる。香りを用いた「なりたい自分になるアロマ」セラピー「Blooming Aromatic Therapy」を開発。
禅や香道の哲学を埋め込んだ和式アロマを伝えていきたいと、ニューヨークと東京にて活動中。オリジナル化粧品プロデュース。日本の有機農業を推進するNPOとともに、オーガニックを推進する活動にも取り組んでいます。
・Blooming Aroma のホームページ
http://www.bloomingaroma.com
・Blooming Aroma Facebookページ
https://www.facebook.com/BloomingAroma/
・Blooming Aromaワークショップなどの情報
http://peatix.com/group/32990